ハイハイが発達マイルストーンから外された
アメリカのCDC(疾病対策予防センター)は、
2022年に発達マイルストーンの大きな改訂を行いました。
その改訂の中で、
「ハイハイ」は公式な発達マイルストーンから外されました。
そのため、
「ハイハイをしなくても問題ない」
「しない子もたくさんいる」
という情報を目にしたことがある方も多いかもしれません。
ですが、
「マイルストーンから外された」ことと、
「ハイハイをしないことが正常である」ことは、同じではありません。
マイルストーンが見直されたという背景
今回の改訂では、
発達マイルストーンの基準が
より多くの子どもがその年齢までに達成している項目へと見直されました。
具体的には、
それまで「約50%の子どもが達成している月齢」を基準としていたものが、
改訂後は「約75%の子どもが達成している月齢」を基準とする形に変更されました。
たとえば、
「一人で立つ」という項目は、
旧マイルストーンでは約9か月で50%が達成とされていましたが、
改訂後は15か月で75%が達成、という基準になっています。
ハイハイは、
必ずしもすべての子どもが行う動きではないため、
この改訂により発達マイルストーンから外されました。

「できなくなった現実」に基準を合わせた可能性?
確かに、ハイハイをしなくても、
多くのお子さんは歩くようになり、言葉を話すようになります。
しかし、
人間の発達において、ハイハイが重要であるという事実は変わりません。
むしろ、
「多くの子ができなくなってきた」という現実に
評価基準を合わせた結果かもしれません。
そういった側面があることも、否定できないのではないでしょうか。
ハイハイは「質」と「量」が重要
ハイハイは、
「する・しない」だけで評価できるものではありません。
- ハイハイの始まりが遅い
- 片足がのびたまま、など通常のハイハイとは異なるやり方
- ハイハイをし始めて数週間経っても、数歩進んだらすぐ止める
- ハイハイを長い距離せずにハイハイ期が終わった
- ハイハイよりも、寝転がった姿勢や座位が圧倒的に長い
- 短期間しかハイハイをしなかった
それは、
神経系が十分に統合されていないサインであることがあります。
加えて、ベビーカーやチャイルドシートに乗っている時間、抱っこの時間が長いこと。
これもハイハイなどの運動の機会の損失につながります。
脳のシステムの土台
生物には、生存戦略として
多くのバックアップ機能が備わっています。
体のシステムに何らかの不具合があっても、
補いながら生命を維持し、活動しようとします。
そのため、ハイハイをしなくても、
それがすぐに生命の危機に直結することはありません。
しかし、
その後の脳のはたらきの脆弱性につながる可能性はあると思います。

赤ちゃん期は「脳の配線工事」の時期
赤ちゃんの時期、脳は主に
運動やさまざまな体験を通して発達していきます。
大きさだけでなく、
脳と神経のネットワークが配線されていく重要な時期です。
これをパソコンのシステムに例えると
とても重要な初期のプログラミングを進めている段階に
たとえることができます。
なぜ、ずり這いやいざり這い(シャフリングベビー)ではなく、ハイハイをした方が良いか?
これについては、またの機会にお話ししたいと思います。
脆弱性が表に出る時期は、人それぞれ
脳のシステムの脆弱性が修正されなかった場合、どのようなことが起こるのでしょうか?
それが「症状」や「困りごと」として表に出てくる時期や程度は、個人差があるでしょう。
個々の特性、環境、ライフスタイルなどによって異なります。
数年後のこともあれば、
数十年後のこともあるでしょう。
また、
個性の範囲で軽く収まる場合もあれば、
生活に支障をきたす形で現れる場合もあると考えられます。
今からできることも、確かにある
ハイハイを十分に経験しなかった、という方も、
どうかがっかりしないでください。
脳には、
変わる力(可塑性)があります。
適切な働きかけや環境によって、
脳と神経のネットワークは再編成されます。
そうして脳のシステムや健康の土台がより強くなる可能性を秘めています。
大切なのは、
「できなかった過去」ではなく、
「これから、どう関わっていくか」です。
そして、変わるためには、正しいことを積み重ねることが必要です。
コツがあります。
ヘルシーライフセントラルでは、脳のはたらきをより良くして、健康の土台を作るお手伝いをしています。
当院では、
赤ちゃんの発達や頭の形についての
無料オンライン説明会、個別オンライン相談(有料) を行っています。
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このブログは、赤ちゃん・子どもの発達と健康について、
「知った上で選びたい」と考える親御さんのための情報を発信しています。 すべての内容が、すべての方に向けたものではない場合があります。
心に余力がないときは、無理に読み進めず、
必要なタイミングで参考にしていただければ幸いです。
この記事を書いた人
Healthy Life Central
乳児・小児の発達と健康を専門とする国際基準(WHO基準)のカイロプラクター
臼田 純子

